卒業生紹介 vol.29
年齢・職歴を問わず、全国各地、海外から花のスペシャリストを目指す人が入学するJFTD学園日本フラワーカレッジ。
花業界で活躍をしている卒業生が学園で過ごした1年間を振り返って、今どう感じているのでしょうか。「卒業生紹介」では、その月ごとに指名された卒業生から縁のある方にバトンを渡し、次々とつなげていきます。
第29回は、第22期卒業生の小林鉄雄さんです。
小林さんは、社会人を経験したのちにJFTD学園日本フラワーカレッジへ入学されました。未経験からJFTD学園へ入学されたそうですが、学園生活はどうだったのでしょうか。
また、他業種と比べて花業界はどのような世界だったのでしょうか。
それでは小林さん、よろしくお願いします!!
[通う動機 ]
初めまして、22期卒業生の小林 鉄雄です。
卒業生紹介のブログリレーを回して頂き、ありがとうございます。
私の実家は新潟県燕三条市で、花とは縁のない金物屋で育ちました。
特にやりたい事もなかった私は、高校卒業後に実家の仕事関連の工場に就きました。
しかし、当時の私はその仕事に面白味を見出すことができず、自分の好きな事を仕事にしたいという想いから「沖縄の海で働こう!」と、沖縄に渡りました。ホテルのマリンスタッフとして働く日々は充実しており、「人を喜ばす楽しさ」を感じ、接客業の醍醐味を味わうことができました。
その頃に妻と出会い、結婚しました。
妻の実家は佐賀県で花店を営んでおり、私たちは丁度人手の足りていなかった「渡辺花屋」で働かせてもらうことになりました。 それまで色々な仕事をしてきたので、正直すぐに花店の仕事も出来るようになると思っていたのですが、いざ働きはじめると接客も花の制作も出来ず配達ばかりの日々を送り、とても悔しい思いをしていました。
そんな時、【一年間でプロのフローリストになれる】学校があると聞き、花店の仕事を続けるならばしっかり学びたいと、入学を決めました。
【学園での過ごし方】
22期は、東日本大震災の影響で学園史上最小の22人で、私はクラスメイトの最年長者でした。
学園の生活は、とても楽しい日々でした。実習はもちろん座学もあり、どんなフローリストにもなれるよう、しっかりカリキュラムが組まれています。
様々なジャンルの一流の講師陣の講義を受け交流ができるばかりか、アルバイトの募集やイベント手伝いの求人がきていたので、積極的に参加しました。そこで経験したことは、今でも私の財産となっています。
学園生活で一番印象に残っている事は、誕生会です。
5月生まれの私は、22期生の中で一番初めに誕生日を迎えました。 まだ学園生活も始まったばかりで色々な不安もあった中、企画してくれたことが嬉しかったのを覚えています。
それからは私が中心となり、22期みんなの誕生会を企画しました。 月ごとに祝うようにしたのですが、先生に協力してもらいサプライズをしたり、プレゼントを考えたりと、大変なこともありましたが喜んでもらえることが嬉しく、ここでも「人を喜ばす楽しさ」に触れました。
【卒業後の仕事内容】
卒業後はすぐに、妻の実家の「渡辺花屋」へ戻りました。 しかし、学園から帰り、すぐに一人前の仕事ができるほど花店の仕事は甘くありませんでした。 ときには空回りしたり失敗する事もありましたが、その度に学園での事を思い出したり、繫忙期には全国で同じように頑張っている仲間がいるということが励みとなり、とても力になりました。
九州の同期とは花のコンテストへ作品を出品した際に会うことが多く、お互いの近況報告をしています。 また、国や県から依頼された仕事を学園の卒業生や花店の青年部みんなで協力しておこなうことが楽しく、勉強にもなっています。その他、市場で開催されるフローリスト向けの勉強会などもあり、お店以外で学ぶ事はまだまだ多くあります。
学園で学んだ事により、苦手だった花に対しても感性だけではなく、今では知識も加えて人へ伝えられる様になり、自信につながっています。
「渡辺花屋」は小売り、冠婚葬祭にいたるまで業務内容が多岐にわたっています。 特に葬儀の仕事は、祭壇のスポンジやスタンド花の搬入がハードなので体力が必要とされますが、体を痛めてしまう人もいるほどです。
そこで私は、家の倉庫を改造してホームジムを作り、身体を鍛えています。
これからは間違いなくテクノロジーの時代がやってきますが、花店の仕事はロボットには出来ない事が沢山あります。
お花をあげる人、もらう人の事を考えて提案し、喜んでもらえた時の嬉しさとやりがいは、何事にもかえがたいものがあります。
私の理念でもありますが、花店は【人に喜んでもらい自分も喜び たくさん動き(働き)美味しいご飯を食べる】 そんな事が出来る仕事だと思います。
渡辺花屋
〒849-0919 佐賀県佐賀市兵庫北5-15-19
TEL : 0952-31-8764
小林さん、どうもありがとうございました。
異業種からの転身で、学びを深めてゆくうちに花の魅力に夢中になっていかれたのですね。学園生活で、同期生の誕生月をお祝いしていたエピソードが楽しそうであり、また絆の深さを感じることができて温かい気持ちになりました。きっと教室はいつも賑やかだったのではないでしょうか。
さて、次のバトンを受け取ったのは第26期卒業の多田 綾沙さんです。現在、どのような活躍をしていらっしゃるのでしょうか。楽しみです。
次回もお楽しみに!!