卒業生紹介vol.5

年齢・職歴を問わず、全国各地、海外から花のスペシャリストを目指す人が入学するJFTD学園日本フラワーカレッジ。

花業界で活躍をしている卒業生が学園で過ごした1年間を振り返って、今どう感じているのでしょうか。「卒業生紹介」では、その月ごとに指名された卒業生から縁のある方にバトンを渡し、次々とつなげていきます。

第5回は、第12期卒業生の小西 拓さんです。
小西さんは、ご実家の有限会社 小西生花店(石川県金沢市)に勤務されながら、一般社団法人JFTD主催のフラワーデザイン競技会ジャパンカップやその他コンテストに出場され、優秀な成績をおさめていらっしゃり大変活躍をされています。

それでは小西さん、よろしくお願いします!!

 

<序章> 学園卒業後の自分

JFTD学園在学中のことを書こうかと迷いましたが、卒業後のことを書くことにしました。

卒業後の就職先は、株式会社サンフローリスト(東京都白金)。花屋を生業とするなら甘えてはいけないと思い、あえて厳しい(忙しさや、仕事に対する姿勢など)職場を選びました。私はとても考えが甘い人間でしたので。

そこで、様々なことを経験し、学び、たくましくなりました。そして、コンテストに出会います。

<第一章> コンテスト初陣

初めてのコンテスト出品は、一般社団法人JFTD主催のジャパンカップ東京ブロック予選でした。都内の腕自慢のフローリスト90名ほどが参加し、それぞれが制作してきた作品を審査、その中から16名が選出され、ファイナル競技に出場します。

さらに、そこで勝ち残った8名がジャパンカップ東京ブロック代表となるわけです。

さて、初陣結果は…なんとファイナル進出。東京はとても強者揃いのブロックでしたので、初出品で持ち込み通過は偉業ともいえることでした。がしかし…実力の伴わない私は、当然ファイナル競技惨敗という結果に。そんな苦い初陣でした。

<第二章> 東京ブロック代表 そして…

翌年も同じコンテストに出品。結果は、持ち込み作品で一次審査は通過したものの、ファイナル競技に選ばれず、よく見ると花が水落ち※。水落ちのシールまで貼られていました。(あなたの作品はお花が水落ちしているので減点ですという、恥ずかしいシール。現在はないです。)※花や葉がしおれていることを水落ちといいます。

そして翌年、3度目の正直で見事、東京ブロック代表に選出されました。確か、ぎりぎりの8位通過だったと記憶しています。

ジャパンカップというコンテストは、全国から予選を勝ち抜いた90名ほどが選出されます。持ち込んだ土台を与えられたスペースに設置し、限られた時間内に花を活けデザインや技術を競います。その中から20名が選出され、次の舞台セミファイナル競技に突入します。セミファイナル競技を勝ち抜いた10名が、ファイナル競技に出場することになります。この10名はコンテスト出場者の憧れであり、夢であり、当時の自分には冗談抜きで神のような存在でした。

この年は、全国大会の持ち込みで一次審査通過するも敗退。惨敗。とても悔しい気持ちで帰路についたのを覚えています。

<第三章> 夢のファイナリスト さらなる夢へ…

5年の東京修業を終えて実家でもある小西生花店に戻った私は、がむしゃらに全国のコンテストというコンテストに出場し、経験を積んで腕を磨きました。そして、様々なコンテストで優勝を含め賞を頂きましたが、ジャパンカップのファイナル競技には出られずにいました。その間、セミファイナルは4回ほど進みましたが、上の舞台はあまりに高く、手の届かない距離にあったのだと思います。その時、あるレジェンドに言われました。

「小西君の目標は?」

「ファイナル出場です。」

「じゃあ、セミファイナルで苦戦するし、そこ止まりだね。」

「えッ?」

「だって僕は優勝しか見ていないから。」

その方は、優勝するために決して妥協することなくこのコンテストに挑み、挑戦しているのだと思いました。そして、私は日々甘えていたのだと痛感しました。

心を入れ替えて挑んだ、2015年フラワードリームジャパンカップ。ついにファイナル出場。結果は6位。翌2016年は2位 農林水産大臣賞を頂くまでになりました。

が、あの時より優勝を目指していた私は、2位では満足できない想いでいました。

しかし翌年、慣れと、おごりなどがあったと思います。そんな気持ちで勝てるはずもなく…セミファイナルまで行けず、帰りのトラックで涙ながら運転しました。

この悔しさを忘れない。そう誓った敗戦でした。

<第四章> チャンピオン?

翌年。この年はグランドチャンピオン選手権というのが開かれます。5年のジャパンカップで累積ポイント上位10名が選ばれ、その10名でグランドチャンピオンを決める大会です。

※ジャパンカップは出場するだけでポイントは得られますが、ファイナル複数回出場や、優勝をすれば高ポイントが獲得でき、出場する権利がぐっと近づきます。

 

私はそれに出場し、2018年グランドチャンピオンになりました。

<終章> あのころがあるから

今回のブログは物語形式で綴りましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。

最後に言いたかったこと。JFTD学園に入学し、花の魅力、花の楽しさ、この世界の可能性を学びました。そこでできた友人はライバルであり、大切な仲間です。苦しい時は頼り、困っているときは、助ける。そんな絆の深い仲間が全国にできました。

そして夢を持つことができ、真っ直ぐにその夢に向かい、叶えました。

 

また次なる夢に向かっています。大きいですが、自分を信じて。

有限会社 小西生花店
〒920-3115  石川県金沢市弥勒町ロ70-1
TEL :  076-258-0150

 

小西さん、どうもありがとうございました。

JFTD学園日本フラワーカレッジを卒業してから、グランドチャンピオンになられるまでに周りの方から学ぶことや常に努力を惜しまない姿勢が伝わってきました。
さて、次のバトンを受け取ったのは、16期卒業の良知みどりさんです。
現在、どんなご活躍をしていらっしゃるのか楽しみです。
次回もお楽しみに!!

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