―華思行― 松田隆作展
花の造形の授業を担当されている、松田隆作講師の個展が現在、宮城県栗原市の風の沢ミュージアムで開催中です。(2011年10月30日迄)
先日、会場のメンテナンスをされに現地へ行かれるというので、ご一緒させていただきました。
そのときの模様を拙い言葉ですがレポートいたします。
風の沢ミュージアムは仙台市内から車で約1時間半。
仙台在住の卒業生、堀江志穂さんの運転で東日本大震災の影響でところどころ波打った東北自動車道を北上していきます。
築館ICを降りて栗原市内を抜けると、油蝉や蜩が鳴く緑豊かな里山の一角にミュージアムはありました。
松田先生の作品は展示期間中に変貌していきます。
オープン直前の4月23日には雪が降り、その中に作品が佇んでいたそうですが、今では芽吹いた植物が大きく育ち、当初とはまた違う風景を作り出しているそうです。
竹の結界でぐるりと建物を取り囲み、古い家屋の中にひっそりと、しかし存在感たっぷりに展示してありました。
作品は時間が経過することで、それ自体の表情の変化も見せていくという展示なのですが、初めて訪れた私には、変貌しているだろう作品の微妙な変化は松田先生の説明を聞かなければ気づきませんでした。
しかし、その中でも変化が如実に分かる作品だったのは、約10年前に制作され、今までずっと大切に保管されていて、風の沢ミュージアムに設置されるまで赤薔薇の色が鮮明に残っていたという「Sleepless Tokyo Beauty」という作品です。
この作品は、薔薇の棘でマットレスや枕、椅子を作り、何万本の赤薔薇の花片をドライにして微粉末にしたものを毛布の表面に塗りこんだものです。
それが今では時間の経過とともに、薔薇の粉末を栄養に黴が生え、成長し、赤と灰色の絶妙コントラスが美しさを醸し出している作品となっていました。
棘のマットレスに眠りたいけど痛そう・・・・。黴た薔薇毛布に包まれたいが・・・無理!!な作品は強烈な存在感がありました。
また、訪れた方が作品に紐を結んでいくことで変化が生まれたりと、一度だけの訪問ではその変化に気づかない、逆に何度来てもその変化を楽しめる展示となっています。
訪れた方は季節が変わった時にその作品がどう変わったのか、ぜひまた来て見てみたいと話されるそうです。
※ミュージアムの人気者「こま」。
ずーっと寝ていましたが、帰り際はお見送りしてくれました!
「くり」もいるらしいのですが、姿は見えず・・・。
会期は10月30日(日)まで!
松田先生の集大成ともいえる作品展となっていますので、ぜひこの機会に訪れてみてはいかがでしょうか?
【場所】
〒987-2302
宮城県栗原市一迫片子沢外の沢11
風の沢ミュージアム
(TEL)0228-52-2811
(HP)http://www.kazenosawa.jp/jp/museum/about.html
JR仙台駅の装飾。
8月6日から8日は「仙台七夕まつり」。東北の復興を願い開催されます。