卒業生紹介 vol.19
年齢・職歴を問わず、全国各地、海外から花のスペシャリストを目指す人が入学するJFTD学園日本フラワーカレッジ。花業界で活躍をしている卒業生が学園で過ごした1年間を振り返って、今どう感じているのでしょうか。
「卒業生紹介」では、その月ごとに指名された卒業生から縁のある方にバトンを渡し、次々とつなげていきます。
第19回は、第11期卒業生の渡辺武志さんです。 ご実家は花店を営んでいらっしゃる渡辺さんですが、花は女性のものだというイメージが強く、胸を張って「花屋の息子」ということをなかなか言えずにいたそうです。
どのようなきっかけで、考えが変わっていったのでしょうか。
それでは渡辺さん、よろしくお願いします!!
こんにちは。 2002年に11期生としてJFTD学園日本フラワーカレッジを卒業しました、福島県福島市にある「花の店すみれ」の渡辺武志です。 私が在学していた頃の学園は、花屋の子弟が多かったのですが、私もそれに違わず花屋の子として入学しました。
子供の頃は、『「花」=女の子の好きなもの』というイメージがあったので、実家が花屋であることを周りの友達には、あまり話をしたくなかったように記憶しています。そのため、
「スーツを着て仕事のできるサラリーマンになりたい」
「どうしてウチの車はバンなの」
と思っていました。 思春期を迎えた高校生のときも、お盆や年の暮れになると
「○○へ、この花を届けてきて!」
と親から頼まれても、花を持って外を歩くのが恥ずかしく、家業を継ぐことに前向きではありませんでした。 そんな私も高校卒業後に一般企業へ就職し、働いている中で少しずつ花に興味を持ち始めました。そんなときに母親の作った花束を見て、ふと
「キレイだなあ」
「こんな素敵なものを自分でも作りたい!!」
と思い、花の道で生きていこうと決めました。
「花屋になろうと思う。」
と、父親に相談したところ 「JFTD学園に行きなさい」 と勧められるまま上京しました。
福島の田舎から出てきて右も左もわからずに、花の名前もナイフの使い方さえわからない私に、佐々木 真知子先生や高橋 洋子先生に優しくご指導いただきました。
担任は高橋先生でした。 授業で作った花束やアレンジを講評していただくたびに、グイグイとしつこく質問をして、なかなか自分の席には戻りませんでした。
そのたびに、丁寧に1つ1つ質問に答えていただき、本当に感謝しています。
在学中、実技で高い点数をとることはできませんでしたが、簿記3級は満点で合格しました。また、卒業後ですがフラワー装飾の1級に合格もできました。花束やアレンジにあんなに時間がかかっていた私でさえ合格できたのは、学園で学べたことが大きかったと思っています。
そして、フラワーデザインを勉強していくうちに、やがて花に対する考えが徐々に変わっていきました。 授業で、花束やアレンジを制作するとき、
「この花の色、シブいなあ。」
「枝物が入るとカッコイイなあ。」
と、花のもつ多様な魅力に気がつきはじめ、「花」=女性という思い込みから解放され、男性が手にしてもカッコいいとものとなっていきました。
また、在学中に先生方もおっしゃっていたことですが、ふだんの仕事であれだけ多くの種類の花材を使って花束やアレンジを作ることはほとんどなく、贅沢な授業だったと卒業後に感じさせられました。
卒業後は神奈川県にある花屋で5年間修業を積みました。修業中は毎日が葬儀の仕事でしたので、葬儀のことを一通り学ばせていただきました。 現在は実家に戻り、店売りとブライダルの仕事をしています。
<新郎・新婦の幸せを願いながらチャペルを装飾します>
実家で初めてブーケを作ったときは学園で習ったことを思い出しながら、同期の仲間に電話で相談しながら作りました。気兼ねなく相談が出来て、親身になって聞いてくれる同期の仲間はありがたいです。 また、この学園の先輩方たちも親切にしてくれます。わたしが学園の卒業生だと知ると、
「何期の卒業生?」
「へぇ、俺が卒業してから○年経つんだぁ」
「担任は真知子ちゃん?それとも洋子ちゃん?」
など、卒業生同士ならではお決まりの会話があり、親近感がグッと増します。
このように、同期の仲間や他の期の卒業生たちに教わり、助けていただき、刺激をもらい。そんな縁を作ってくれた学園に感謝をしています。 今は仕事でスーツを着ることは少ないですし、車はバンばかりですが花屋をやれてよかったです。
これからも日々学び、精進していきたいと思います。
<お客様の笑顔を思いながら丁寧に花を選びます>
<木製の雑貨を多く取り入れるなど、ナチュラルで落ち着く空間にしていいます>
花の店すみれ
〒960-8068 福島県福島市太田町24-5
TEL: 024-535-5602 MAIL :wata1919@plum.plala.or.jp
渡辺さん、どうもありがとうございました。
いろいろな想いもありながら経験を積まれたのち「花屋をやれてよかった」という言葉が力強く、胸を打たれました。
学園で学んだことをいかしながら資格の取得や、仕事の幅を広げるなど様々なことに挑戦し続ける姿がカッコいいです!
さて、次のバトンを受け取ったのは、第16期卒業の及川 政彦さんです。 現在、どんなご活躍をしていらっしゃるのか楽しみです。
次回もお楽しみに!!
間宮