卒業生紹介 vol.18

年齢・職歴を問わず、全国各地、海外から花のスペシャリストを目指す人が入学するJFTD学園日本フラワーカレッジ。
花業界で活躍をしている卒業生が学園で過ごした1年間を振り返って、今どう感じているのでしょうか。
「卒業生紹介」では、その月ごとに指名された卒業生から縁のある方にバトンを渡し、次々とつなげていきます。

第18回は、第12期卒業生の鈴木悠介さんです。 鈴木さんは現在、山形県にあるご実家の花店に勤務されていますが、東日本大震災の被災地を訪れ、ボランティア活動を行うなど幅広くご活躍されています。 花を扱う者だからこそできることに強くこだわり、これまで被災にあわれた多くの方々を笑顔にされてきました。 花を扱う仕事の中でどのようなことを感じ、また、どのような想いでボランティア活動を続けていらっしゃるのでしょうか。

それでは鈴木さん、よろしくお願いします!!

私は、大学でコスモスの遺伝・品種改良の研究をしていました。
すると、次第に花き業界の一連の流れを知るためにはどうしたら良いかと考えるようになり、実際に生花をお客様に提供するすべを学ぶことが必要だと結論を出しました。
これが、JFTD学園へ通うことに決めた動機です。

入学して授業が始まると、想像以上に様々なことを教えてもらえることに驚きました。フラワーデザインといっても、花束・ブケー・アレンジメント・コサージに加えて季節行事のデザインなど幅広く、また、経営やマーケティング、色彩学など花店で働くうえで必要なことを広く学ぶことができました。

卒業してからは、都内のホテルで花装飾をメインにしている会社へ就職しました。仕事内容としては、ウェディング・パーティーの装飾が主でしたが、JFTD学園である程度、基礎知識や基本となる技術を身につけていたので、すぐに理解することができ、どんどん仕事にのめり込んでいきました。

それから8年ほどウェディングの仕事を続けましたが、2011年の東日本大震災を機に実家を継ぐことを決意し、山形県へ帰郷しました。東京の仕事に比べて、地方の花店は小売りから始まり、結婚式や葬儀、ガーデニングに至るまで、花に関する事なら何でもしなければいけない状態でした。
初めて経験することもあり、分からないことがあった時にはJFTD学園在学中に使用していた教科書を引っ張り出して調べ、乗り切りました。
花を扱う仕事の現場に立ったとき、JFTD学園で学んだ内容が充実したカリキュラムだったのだと再確認しました。

<御倉邸の花装飾>

これまでに様々な困難がありましたが、それでも花に携わる仕事を続けてきて良かったと今、あらためて感じています。そして、花は人と人の気持ちをつなぐものだと強く思えるようになりました。

被災地のボランティアでは、JFTD学園卒業の先輩をはじめ、花業界の方々からご協力いただけるとの声を多くの声をかけていただきました。特に、アレンジメント教室を手伝わせていただいたことが、強く印象に残っています。
皆さん避難生活を過ごされている大変な時にもかかわらず、参加された方がどんどん笑顔になっていったのです。なかには、泣いて喜ぶ人もいるほどでした。 花を通してこちらの想いが相手に伝わり、また、相手のうれしい気持ちが伝わってきました。

あれから8年経ちますが、今でも被災地にある学校へ通い、「花育」という形で活動を続けています。最近では、花をテーマにした地域のイベントも増えてきており、花の装飾やワークショップなどの仕事を通して、花を楽しむことや、花に触れることの喜びを感じていただくことができているのかなと思います。

<熊野大社にてデモンストレーションをおこないました>

<花に触れると自然と顔がほころびます>

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私の弟も学園を卒業していますが、彼は兵庫県で花店を開業し、立派に地域に根ざした仕事をしています。
私は後継者として実家を継ぎ、弟は1からお店を立ち上げましたが、根底では学園で学んだものがあり、それがお互い財産になっているように思えます。

<四季折々の花を多く販売しています>

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花の店文化園南陽店 
〒992-0472 山形県南陽市宮内2703   TEL:0238-47-2401

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鈴木さん、どうもありがとうございました。

ボランティア活動やお仕事を通じて、花のもつ魅力を多くの方に感じていただき、笑顔の輪を広げてゆく姿に胸をうたれました。
これからも花を通して多くの方と交流をひろげられ、笑顔の輪がもっともっと広がってゆくよう願っています。

さて、次のバトンを受け取ったのは、第11期卒業の渡辺 武志さんです。 現在、どんなご活躍をしていらっしゃるのか楽しみです。

次回もお楽しみに!!

                                    間宮

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